アレルギー性鼻炎の症状
くり返すくしゃみ、鼻水、鼻づまりが3大症状ですが、ほかに眼のかゆみ、のどの違和感、せき、皮膚のかゆみ等の症状が出ることもあります。発症の低年齢化、ぜんそくとの関連性も報告されています。
鼻の粘膜にアレルギーによる炎症がおきて、くり返すくしゃみ、水のような色のつかない鼻水、鼻づまりの3つが見られます。症状には個人差があります。
それに伴い、下記のような症状も表れます。
- 睡眠不足
- 集中力の欠如
- イライラ・むかむかするといった心理的影響
- 副鼻腔炎、急性中耳炎、滲出性中耳炎を合併することもあります
花粉症の代表的な症状
代表的な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、涙目です。
鼻の症状(アレルギー性鼻炎)
- くしゃみ
- 鼻水
- 鼻詰まり
目の症状(アレルギー性結膜炎)
- 痒み
- 涙目
- 目やに
- 目のゴロゴロ感
その他の症状
- 肌の痒み
- 頭重感
- うつ
- 倦怠感
花粉症と症状が似ているけれども、花粉症ではない鼻炎として
かぜによる急性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎が挙げられます。
かぜ
「花粉症」のくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状は「かぜ」の初期症状でも見られます。
症状のきつい花粉症だと思いこんで、かぜによる急性鼻炎を放置して、その結果副鼻腔炎にまで進んでしまう方がおられます。症状が強い場合は、自分で判断せずに医療機関を受診してください。
「花粉症」と「かぜ」の違い
花粉症 | かぜ |
---|---|
花粉の飛散日に明らかな目、鼻のかゆみがある | 目、鼻のかゆみは場合による。 |
水性の鼻汁 | ひき始めは水性で、徐々に 粘性、膿性(色のついた)の鼻汁になる。 |
場合によって、のど、口の中にかゆみや痛みがあり。 | のみ込むときにのどが痛い。 |
場合によっては微熱があるが、高熱は出ない。 | 発熱を伴うことが多い。 |
高熱が出ることもある。 | 毎年決まった季節に起こり、季節中続く 季節は不定。通常1、2週間で治る。 |
通年性アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎という点では花粉症と同じですが、抗原がダニやカビハウスダストなどの花粉以外のものによるアレルギーなので、花粉症のような「季節性」の発症ではなく、年間を通じて症状が出ます。
血管運動性鼻炎
症状はアレルギー性鼻炎と似ていますが、アレルゲン(抗原)の侵入によるものではなく、気温や湿度の変化によって、自律神経がアンバランスになるために起こる鼻炎です。
通年性アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎も、症状自体は花粉症とよく似ていますが、薬をのむ期間や、薬の効き方が花粉症とは異なりますので、耳鼻咽喉科専門医のもとで、診断、治療を受けていただくことをお勧めします。
花粉症の方はこんなことも…「口腔アレルギー症候群」
花粉症は鼻や目に症状が出ると思われていますが、それに限ったことではありません。実は口にもかゆみや腫れといった症状が出る場合があります。
- 花粉症の方で、リンゴ、モモ、スイカ、メロンやキウイ、マンゴ、アボガドなどの食べ物を食べると口の中がかゆくなる、口の中が腫れるといった症状が出る方があります。それはこれら果物、野菜、ナッツ類に含まれるアレルゲンが、花粉のアレルゲンと非常によく似ているために引き起こされ、「口腔アレルギー症候群」といいます。北海道に多いシラカバや、関東に多いブナ科による花粉症の方に見られることが多いです。また果物のアレルギーを持っている方は、天然ゴムなどでアレルギー反応を起こす場合があります。
- 原因となる食物を食べてから1時間以内に、口や唇、舌、喉にかゆみや腫れが現れます。多くは軽症ですが、まれに喉や胸の圧迫感、呼吸困難、吐き気、嘔吐、下痢、または意識の喪失などの深刻な全身アレルギー反応を引き起こすことがあります。
- 治療する上で最も大切なのは、原因食物の摂取を控えることです。症状が重い場合には救急搬送して治療を施す必要があります。喘息発作やショック状態になればその治療を行います。使用する薬は抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬や、ステロイド薬を服用します。
- 原因食物を食べることで発症するという点では口腔アレルギー症候群も食餌(食物)アレルギーも同じですが、食餌アレルギーの場合は分解されずに体内に吸収されるので、より重症化しやすくなります。一方口腔アレルギー症候群は口腔内で症状が出るため多くを摂取することがありません。そのため消化液で分解されるので重篤化する確率は低くなります。