アレルギー性鼻炎の
治療法

治療法

1. 薬物治療

アレルギーの治療薬には実にさまざまな種類があり、これらの中から症状や体質、アレルギーの原因によって、有効な薬を選びます。単独で有効なものもありますが、いくつかを組み合わせたら、よりよいコントロールが得られることも多いです。症状が強い場合には、症状を落ち着かせるための薬(導入)と、よくなった症状を持続させるための薬(維持)が異なることもあります。また根本的なアレルギー体質は、残念ながら薬をのむだけでは変わりません。より良いコントロールを得るために、通院の上、正しい服用を心がけましょう。

~花粉症の薬物治療について~

初期療法

花粉飛散前からお薬を飲み始めることで「症状の発症を遅らせ」「症状の具合を軽くする」ことが狙いです。
飛散開始予測日からの服用が理想的です。(但し、症状の重い方は飛散開始の1~2週間前を推奨しています)
当院では鼻アレルギー診療ガイドラインに従って診療しております。


導入療法
花粉症の治療を受けている方の大半は「導入療法」です。

初期療法を受けずに症状がひどくなってしまった場合や、花粉の飛散の本格化により初期療法で使っていたお薬だけでは抑えることができなくなった場合があります。その際には、薬を追加したり、変更したりすることで症状を軽くしています。

また、初期療法や導入療法により良くなった症状を維持する 維持療法 も行っております。
花粉飛散中は薬の服用継続をおすすめしております。

2. 減感作療法(免疫療法)

アレルギーの原因となる物質に少しずつ何回も触れると、その物質に対しては強いアレルギー反応を起こさなくなります。これを応用した治療法が免疫療法です。減感作療法、脱感作療法ともいいます。
近年舌下免疫療法が保険適応となり、興味を持たれている方も多いと思います。これは注射のかわりに、経口用に調合したエキスを毎日舌下にふくんで吸収させる方法です。治療には定期的な通院が必要になり、治療期間は2年以上と長くなります。

<舌下免疫療法について>

舌下免疫療法は、その治療の実際と起こり得る副反応などをしっかり理解すれば、ご自宅でできる治療法です。月1回は通院していただく必要がありますが、従来の皮下免疫療法のように注射の度に通院する必要はなく、痛みもありません。

服用を毎日続けていけば、初めてのスギ花粉飛散シーズンで効果を感じられることも多く、こうなればしめたもので、次の1年、さらに次の1年と治療を継続できます。3~5年間習慣化していただいて効果が出た場合は、治療終了後も長期にわたって効果が期待できます。興味をお持ちの方は医師またはスタッフまでお声掛けください。
治療開始時期は、スギ花粉の飛散が終了し、次の花粉症シーズンへの効果が期待できる5月以降、遅くても12月頃までを推奨しています。

<このような方(12歳以上65歳以下)にお勧めです>

  • 花粉症がなくなる(スギに対するアレルギーがなくなる)ことを望んでいる方
  • 症状が重く、飲み薬や点鼻薬を正しく使用しても症状の軽減を感じない方
  • 花粉症の症状を抑えるために飲み薬を飲むと眠気などの副作用がひどい方
  • レーザー治療に抵抗がある方、あるいはレーザー治療を行っても症状の軽減を感じない方

3. 外科的療法

レーザー治療(鼻腔粘膜焼灼術)

薬物療法を続けていても効果がなかなか感じられない方、眠気等でアレルギーの薬が十分に服用できない方、薬物治療を控えたい方(妊娠希望、授乳期の方、肝機能等がよくない方)にはレーザーで鼻の粘膜を焼く手術(鼻腔粘膜焼灼術)はおすすめです。
ただし、鼻中隔彎曲が相当強い方、鼻の中の粘膜が慢性的に高度に腫れている場合には、レーザー治療では効果が出にくいので、鼻中隔彎曲矯正術や粘膜を部分的に切り取る手術(下鼻甲介切除術)等を受けていただき、それでも鼻づまり等の症状が続く場合にはレーザー治療のおすすめとなります。
レーザー治療には炭酸ガスレーザー、アルゴンプラズマレーザーなど、いくつかの種類がありますが、炭酸ガスレーザーは術中の痛みや出血が少なく施行できます。当院では、炭酸ガスレーザー治療を行っています。

実際のレーザー治療を動画でご覧ください。

最初は手術用顕微鏡を用いて、下鼻甲介粘膜のごく手前をレーザーで焼灼します。焼灼により、手前の腫れが引いて奥が見やすくなったところで、硬性内視鏡(鼻腔鏡)に切り替えて、モニタ画面を見ながら、下甲介粘膜をさらに後方までレーザー焼灼します。所要時間は10分以内です。

アレルギー性鼻炎のレーザー治療

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)によるアレルギー性鼻炎のレーザー治療です。手術用顕微鏡と硬性内視鏡(鼻腔鏡)を用いて鼻腔内を観察しながら両側の下甲介粘膜をレーザー照射します。

 

スギ花粉症では、通常花粉のシーズンが始まる1か月前、すなわち1月下旬までに治療をすれば、その後およそ1年間は症状が改善されます。通年性アレルギー性鼻炎の方は、時期的な制限はありません。
レーザー治療はアレルギー性鼻炎の原因を問わず、ほぼ全例に有効な結果をもたらします。特に鼻づまりに対しては、お薬よりも有効な結果を得られることが多いようです。残念ながら、効果は1年ほどで、永続的ではありません。言い換えると、炭酸ガスレーザーではごく浅い層の粘膜を焼灼するため、1年程度で修復されるのですが、永続的な障害をもたらさない点から毎年受けていただいても安全な治療法といえます。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

後鼻神経(翼口蓋神経)切断術、粘膜下下鼻甲介切除術など

鼻の自律神経の一つである後鼻神経(翼口蓋神経)を切断することにより、くしゃみ、鼻汁の分泌をおさえることができます。アレルギー性鼻炎の方が、副鼻腔手術や鼻中隔弯曲症の手術を受けられる際には、同時に実施されることがあります。鼻づまりが強い方には、粘膜下下鼻甲介切除術を併せて行うことでより高い効果を得ることができます。

治療法 内容 特徴
薬物療法 内服薬、点鼻薬、点眼薬 (抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、局所ステロイド剤など) 症状や仕事・生活環境に応じて処方。即効性があり、効果的に症状を緩和。人によって眠気などの副作用が気になることもある。根本治療にはならない。
減感作療法
(免疫療法)
アレルギーエキスの皮下注射、舌下投与(製品名:シダトレンなど) 根本治療が可能な方法。治療には長期的な通院が必要。ごくまれにアナフィラキシーショックなどの副作用の可能性がある。
外科的療法 レーザー手術、後鼻神経切断術、下鼻甲介切除術 治療効果は高く、効果の持続も長い。レーザー手術は日帰り手術が可能であり、1~2年間は症状改善のケースが多い。

4. 鼻炎以外の花粉症の治療

  • 目の花粉症は「アレルギー性結膜炎」として治療していきます。抗ヒスタミン点眼薬の投与が中心で、ステロイド点眼薬が併用されることもあります。
  • 顔や首に発疹やかゆみには、外用ステロイド薬(軟膏、ローション)が効果的です。また光線過敏症、化粧品などによるかぶれは花粉症による皮膚炎と似ていますので、注意が必要です。
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